ヨーロッパで最も治安の悪い国10選【バックパッカーは必見です!】

ヨーロッパで最も治安の悪い国10選【バックパッカーは必見です!】

「治安の良いイメージ」があるヨーロッパですが、最近、治安が悪い国が増えているのを知っていましたか?

特に東欧や南欧では、治安が悪化しています。そこで今回は、ヨーロッパで最も治安の悪い国10カ国をご紹介します。

バックパッカーなど、旅行で訪れる際は最新の治安情報を受け取り、身の安全を守りましょう!

1.ロシア

ここ数年で一気に治安が悪化したロシア。

「インスティチュート・フォー・エコノミクス&ピース」が毎年発表している「グローバル・ピース・インデックス2019」によると、ロシアは世界の治安ランキング163カ国中154位で、ヨーロッパでは最も治安の悪い国に選ばれました。

国内では暗殺、デモなどが後を耐えません。

また、地方によっては、武装勢力による一般人を狙ったテロ攻撃も続いています。

外務省によると、2020年1月の時点で、モスクワも含む全域において危険度レベル1の「十分に注意する」が出されています。

危険度レベル3の「渡航中止勧告」が出ているのは、チェチェン、カバルダ・バルカルの各共和国、イングーシ、ダゲスタン、北オセチア・アラニア、カラチャイ・チェルケス共和国とスタヴロポリ地方です。

治安が悪い主な原因は、チェチェンを含む北コーカサス地方の武装勢力によるテロ攻撃に加え、イスラム過激派組織ISILの帰還兵によるテロが、モスクワやサンクトペテルブルクといった大都市で続いていることです。

ロシアを訪れる日本人旅行客やバックパッカーが増える一方で、空港や地下鉄、ホテル、スーパーマーケットで不特定多数の人たちを狙った爆弾事件なども増加しているので、モスクワなどの大都市を訪れる際には、十分に注意しましょう。

また、以前オリンピックが開催されたソチはヨーロッパ屈指のリゾート地で、治安も比較的良く安全です。

しかしソチと隣接しているカフカス山脈方面やジョージア国境周辺には、武装勢力が潜伏している可能性が高いので、決して近寄らないようにしましょう。

2.トルコ

トルコでは、もともとそれほど治安の悪い国ではありませんでしたが、ここ数年でシリア、イラク、イラン、アルメニアとの国境地帯の治安が悪化しています。

その原因は、2019年ヨーロッパで一番テロが多い国だったためです。

トルコは中東に入るのでは?と思う方もおられるかもしれませんが、トルコ政府はヨーロッパであると公表しています。

外務省によると、2020年1月現在、特に治安が悪い地域に指定されているのがシリアとの国境地帯で、最高危険度レベル4の「退避勧告」が出されています。

危険度レベル3の「渡航中止勧告」が出ているのは、ディヤルバクル県やイラクとの国境地帯です。

危険度レベル2の「不要不急の渡航やめる」が出ているのは、ガジアンテップ県、キリス県、シュルナク県、シャンルウルファ県、ハッカーリ県、ハタイ県、シリアやイラクとの国境地帯を除くマルディン県全域です。

このほか、アール県、アドゥヤマン県、イスタンブール県、カルス県、ヴァン県、ウードゥル県、エラズー県、エルズルム県、エルジンジャントゥンジェリ県、シールト県、バトマン県、ビンギョル県、ビトリス県、ムシュ県などに危険度レベル1の「十分に注意」が出されています。

治安が悪い背景には、トルコがシリア難民360万人を受け入れており、ISILの潜伏先ともなっていることにあります。

また、トルコはクルディスタンの武装組織YPGなどに突発的な空爆を行っており、クルディスタン系の武装勢力によるテロ反撃が続いています。

日本人の被害者も少なくなくありません。

今後トルコに渡航を予定している旅行者やバックパッカーは、危険な地域のみならず、どこでもテロが起こる可能性を認識して、十分に警戒しましょう。

3.ウクライナ

ウクライナは東ヨーロッパの国々と国境を接する歴史ある国です。

カフカス山脈から穀倉地帯が連なる美しい景色は、多くの旅行者を魅了しています。

しかし、ウクライナ情勢はロシアとの関係悪化により、ヨーロッパでは最も治安の悪い国のひとつに挙げられます。

2020年1月現在、外務省から危険度レベル3の「渡航中止勧告」がでているのは、クリミア自治共和国、セヴァストーポリ市、ドネツク州、ルハンスク州です。

その他全域で、「十分注意するべき」危険度レベル1が出されており、格安宿で、バックパッカーを狙った盗難なども相次いでいます。

治安が悪い主な理由は、クリミア自治共和国とセヴァストーポリ市は、ロシアに不法占拠されている状態がつづいていることにあります。

EUと連合協定を結びたいウクライナ側とそれに反対するロシア側の衝突が、2013年以降、現在まで続いてきました。

また、ドネツク州やルハンスク州では、今も、武装勢力とウクライナ政府軍の闘いが続いています。

日本人の被害はまだ報告されていませんが、とても危険な状況にあるので、渡航の際には十分に警戒して、危険な地域に立ち入らないようにしましょう。

4.アゼルバイジャン

アゼルバイジャンは、東ヨーロッパにある人口987万人の小さな国です。

東は、カスピ海に面しており、観光の名所となっていますが、北側には、武装勢力が潜伏しているといわれているコーカサス山脈を、西側には、アルメニア占領地域を抱えており、ヨーロッパではかなり治安の悪い国といえるでしょう。

2020年1月現時点で、外務省から危険度レベル3の「渡航中止勧告」が出ているのは、アルメニア人が多く居住している西部のナゴルノ・カラバフ、またその周辺のアルメニア占領地域、そしてアルメニアとの国境周辺地域です。

これには、アゼルバイジャンの飛地であるナヒチェバン自治共和国の、アルメニアとの国境周辺地域も含みます。

そのほか、首都バクーをふくむ全地域に危険度レベル1「十分に注意」が出ています。

治安が悪い背景には、1985年以降繰り広げられてきたナゴルノ・カラバフ地域をめぐるアゼルバイジャンとアルメニアとの衝突が挙げられます。

停戦合意や和平へのプロセスを踏んでいるにもかかわらず、この紛争が解決する見通しはいまだに立っていません。

この地域へ、アゼルバイジャン政府の許可なしに立ち入った外国人旅行者には、かなり重い罰則が科せられるので、十分に気をつけましょう。

最近、SNSなどの投稿で、アゼルバイジャンはヨーロッパの中では比較的、治安が良いとの情報が流れていますが、実際には、国家安全保障庁などの治安機関が未然にテロを防いだケースが、何件も外務省に報告されているようです。

イスラム教過激派組織のテロ計画も摘発されているので、テロに遭わないように十分に警戒した方が良さそうです。

5.アルメニア

アルメニアは、東ヨーロッパにある旧ソ連の国です。

アルメニアを訪れた人は、治安が悪い国という印象を受けない人が多いようです。

しかし、アルメニアは、上記でもご紹介したナゴルノ・カラバフをめぐってアゼルバイジャンとの紛争が長年つづいており、治安が安定していない国です。

外務省によると、2020年1月現在、危険度レベル3「渡航中止勧告」が出ているのは、アゼルバイジャンとの国境周辺地域です。

また、その他アルメニア全域で危険度レベル1の「十分に注意」が出されています。

治安が悪い理由としては、アルメニアとアゼルバイジャンの紛争がいまだに国境地帯で続いていること、そして、ここ数年で、日本人の旅行者がエレバン市内の路線バスなどで、スリに遭う事件が多発していることなどが挙げられます。

街には物乞いや無許可タクシーも多いようです。

タクシーを利用する場合は、路上でタクシーを拾うのではなく、必ず、タクシー会社に電話して利用するようにしましょう。

6.ジョージア

ジョージアは、旧ソ連圏時代は「グルジア」という国名で呼ばれていた東ヨーロッパの国です。

ジョージアの北東部は、武装勢力が潜伏しているカフカス山脈が覆いつくしています。

北西部には長年戦闘が繰り広げられていたアブハジア自治共和国があり、特に危険な地域となっています。

外務省によると、2020年1月現時点で、危険度レベル3の「渡航中止勧告」がでているのは、南オセチアとアブハジア自治共和国、それぞれの周辺地域です。

また、ロシアとの国境周辺地域には危険度レベル2の「不要不急の渡航は止める」が出されています。

その他ジョージア全域において、危険度レベル1の「十分に注意」が出されています。

治安が悪い原因として、ロシアとの国交断絶により、ジョージア政府が南オセチアやアブハジア自治共和国の統治ができていないことが一番に挙げられます。

また、これらの地域には、不発弾等が残っている可能性や、情勢が突如悪化する可能性があるので、絶対に渡航しないようにしましょう。

最近では、バックパッカーの滞在先としてだけでなく、ノマドワーカーの移住先としても注目を浴びているジョージア(旧グルジア)ですが、グルジア時代、この国にどれだけ多くの放射性物質が破棄されてきたかを知る人は少ないことでしょう。

物価が安く移住しやすいというメリットはありますが、そこだけに囚われると健康を害したり、危険な事件に遭遇したりする危険性もあるので、十分に考慮した上で行動するようにしましょう。

7. コソボ

東ヨーロッパにあるコソボは、紀元前1世紀から古代ローマ帝国、オスマン帝国、セルビア、ユーゴスラビアと、つねに征服され、独立する機会に恵まれなかった国です。

2008年ついに国連で独立国として承認されましたが、独立して10年経った今でも、コソボ北部ではセルビア系の住民とアルバニア系の住民との間で紛争が続いています。

外務省によると、2020年1月時点で、危険度レベル3の「渡航中止勧告」から危険度レベル2「不要不急の渡航やめる」に引き下げられた地域は、コソボ北部にあるズビン・ポトク、ズベチャン、レポサビッチ、そしてミトロビツァ市の北部です。

コソボが、ヨーロッパで治安が悪い国ランキング上位に入る理由は、最近でも死傷者を出す紛争が、北部の危険な地域で続いているためです。

国内にはISILの帰還兵も多いので、旅行でコソボを訪れる際には十分に警戒しましょう。

8.ボスニアヘルツェゴビナ

ボスニアヘルツェゴビナは、南ヨーロッパにある人口353万人の国です。

この国はかつて、ヨーロッパで一番治安の悪い国でした。

ボスニアヘルツェゴビナの民族は多い順に、ボシュニャク人、セルビア人、クロアチア人となっています。

1992年から1995年まで民族間で紛争が続き、20万人もの死者を出しました。

実は、この紛争時に埋められた12万個もの地雷がクモの巣のように国土を覆っており、今でも危険な状態です。

現在、外務省より危険度レベル1の「十分に注意」が出ているのは、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国の境界周辺地域とクロアチアとの国境周辺地域です。

ヨーロッパの中では比較的治安の悪い国に入りますが、国全体の治安は、ここ数年で、減少傾向にあります。

具体的には、2012年から2015年の3年間で、殺人・殺人未遂事件が14%減少、強盗・窃盗事件においては、29%も減少しました。

これは、EU部隊が駐留していることや、警察組織の改革が行われていることなどが理由に挙げられます。

EU加盟に向けて、ますます治安が良くなってきているボスニアヘルツェゴビナですが、旅行者やバックパッカーは、まだまだ油断してはならない国です。

訪れる際には、十分に注意するようにしましょう。

9.モルドバ

モルドバは、東ヨーロッパにあるルーマニア語を母国語とする国です。

長年のあいだ、ソ連とトルコ、ルーマニアの間で、領土をめぐる衝突が続いてきました。

1991年8月にソ連から独立してからは、政治や体制の腐敗が進み、現在ヨーロッパで最も貧しい国であると言われています。

2020年1月現在、外務省より危険度レベル1の「十分に注意」が出ているのは、トランスニストリア地域とドニエストル(ニストル)川の一部西岸地域です。

この地域の治安が悪い主な原因として、モルドバ政府の統治が難しい状況にあることが挙げられます。

この地域では、1991年の独立以降、ルーマニア寄りの政策がロシア系住民の反発をまねき、流血事件や経済封鎖が起きました。

しかし、特に突発的な事件が起きない限り、今のところ、危険な地域以外は比較的治安が良いようです。

10.北マケドニア

北マケドニアは、旅行客は少なく、治安の良いイメージがありますが、実はISILの帰還兵が多く潜伏していることから、テロの危険性が高い国です。

外務省の情報によると、2020年1月現在、危険度レベル1の「十分に注意」が出ているのは、スコピエ市を除く北部、北西部、西部です。

治安が悪い背景には、アルバニア系武装勢力と治安当局の衝突の危険性などが挙げられます。

2016年にもテロ行為を準備していた2人組みが身柄を拘束される事件がおきました。

また、2018年には、イラク・シリアでの戦闘に参加した帰還兵7名が逮捕されました。

いまだに日本人を狙った事件は発生していませんが、テロ事件に巻き込まれないように、十分警戒するようにしましょう。

ちなみに、マケドニア地域は、古くはアレキサンダー大王が築いたマケドニア王国が栄え、今でもその誇りを感じられる、魅力ある地域です。

国としてのマケドニアは、マケドニア全地域の4割程度です。

これを、ギリシアなど他の国に編成された地域と区別するために、2019年以降「北マケドニア共和国」と日本語で表記されるようになりました。

ヨーロッパで最も治安が悪い国に行く旅行者は、十分気をつけよう!


以上、2020年のヨーロッパで最も治安の悪い国10選をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

ここで紹介した国は、テロ事件などにより治安の悪い国に指定されている国ですが、ヨーロッパには窃盗やぼったくりなどの軽犯罪が多発している国がたくさんあります。

中でもフランス、イタリアなどに行く際は十分に気をつけましょう。

参考文献:
『外務省海外安全ホームページ』|外務省 https://www.anzen.mofa.go.jp/
『Global Peace Index2019』|Institute for Economics & Peace
http://visionofhumanity.org/app/uploads/2019/06/GPI-2019-web003.pdf