「世界の治安ランキング2021!各国の安全度を比較」

「世界の治安ランキング2021!各国の安全度を比較」

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【国の繁栄度と治安の関係】

精度の高いランキングシステムを採用していることで知られるLegatum Institute Foundationの『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』(以下『プロスペリティ2020』)によれば、世界で最も繫栄度が低い国は、南スーダンでした。

 

上記で紹介した『旅行者の安全度が低い国10カ国』のうち4カ国が、これから紹介する『世界で最も繫栄度の低い国10カ国』にも名前を連ねています。

 

また、軍事介入や暴力の度合いを示す『グローバル・ピース・インデックス2020』の最下位10カ国のうち5ヵ国が、『国の繫栄度ランキング2020』の最下位10カ国にも入っています。

 

これは、その国における紛争、GDPを占める多額の軍事支出、国の繫栄度の低さ、貧困、飢餓が、多くの場合、それぞれ共通して治安の悪い国に顕著に存在することを示すには、十分な結果ではないでしょうか?

 

それでは、『繫栄度が低い国10カ国』を見ていきましょう。

 

世界で最も繁栄度が低い国10カ国

Legatum Institute Foundationは、世界中の国の繫栄度を示す『プロスペリティ2020』を作成するにあたって、以下のような項目をランキングの判断基準にすえています。

・治安(セーフティーとセキュリティー)

・個人の自由度

・ガバナンス(政府のクリーン度など)

・ソーシャルキャピタル

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境

・企業の状態

・マーケットアクセスやインフラ

・経済の質

・生活状況

・ヘルスケア

・教育

・自然環境

抗議活動によって危険な状態がつづいている香港「治安」の項目で、2020年世界で6位にランク入りしているのをみると、ここでは、主に国際紛争や治安部隊の統率が大きな割合を占めていることが分かります。その他、一般的な犯罪や、治安が個人の生活に与える影響(短期的・長期的)も判断材料に入っています。

 

「ソーシャルキャピタル」は、個人と社会がいかに強い信頼関係を築けているかという点に重きが置かれています。このことは、2020年10月だけで、2,000人もの自殺者を出した日本が、この項目で140位まで落とされていることに顕著に表れています。このほか、制度への信頼、社会の規範、国への市民参加などが「ソーシャルキャピタル」の判断材料となっています

 

「ガバナンス」は、政府のクリーン度だけでなく、それを定期的にチェックし制御できる第三者機関がしっかりと機能しているかという点にも及びます。

 

例えば、パンデミックにおいて迅速で効果的な対応ができたと高い評価を受けているニュージーランドは、2020年、「ガバナンス」の項目で5位に選ばれました。「ソーシャルキャピタル」や「投資環境」といった他の項目も上がり、結果的に、全体のランクを7位にまで上げてきました。

 

以下では、これらの項目をすべて精査したうえでランク付けられた『国の繁栄度が最も低い国10カ国』をご紹介します。

 

ワースト10位 シリア

 

2019年、ワースト10に入っていなかったシリアですが、2020年ワースト10位になってしまいました。シリアは、167カ国中158位となっています。外務省の情報によると、2011年から続くシリア政府軍と反政府勢力の紛争は、2019年にISILが最後の拠点を失ってからも続いています。この紛争の影響で難民が550万人を超え、国内避難民も610万人を超えました。

 

・シリアの経済状況

シリアの主な産業は、石油の生産、繊維業、食品加工業です。

 

外務省の情報によると、シリアは、2011年以前は社会主義計画経済を採用しながらも民間資本を積極的に導入し、4~5%の経済成長を記録していました。しかし、2011年以降は、欧米諸国からの経済制裁などもあり、シリアのGDP成長率は、-36.5%、インフレ率は28.1%、失業率は13.2%と非常に危機的な状態が続いています。

 

・シリアの繫栄度の要約(ランキング)

『プロスペリティ2020』のシリアの評価は、以下のとおりです。

・治安(セーフティーとセキュリティー)165位

・個人の自由度167位/

・ガバナンス(政府のクリーン度など)161位

・ソーシャルキャピタル

(個人と社会のつながりなどを示す)166位

・投資環境 140位

・企業の状態 162位

・マーケットアクセスやインフラ 122位

・経済の質 131位

・生活状況 103位

・ヘルスケア 114位

・教育 127位

・自然環境 163位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

シリアは、「マーケットアクセスやインフラ」「経済の質」「生活状況」「ヘルスケア」「教育」の項目で高い評価を受けました。その一方で、「治安」や「ガバナンス」の低さが目立ちます。反政府勢力を抑え、少しずつ治安を回復していくことで、繫栄につながることが期待されます。

 

ワースト9位 スーダン

2019年の『プロスペリティ2019』ではワースト10位だったスーダンですが、2020年は、ワースト9位になりました。スーダンは、167ヵ国中159位となっています。外務省の情報によると、2018年、経済悪化とインフレ率の上昇などに反対を示す反政府デモが政府の治安部隊に制圧され、100人以上の犠牲者を出す事件が起こりました。

 

これを受けて、新首相と新暫定政府が設立されると、経済再建や反政府勢力との和平などに取り組み、2020年10月には、トランプ米大統領はスーダンをテロ支援国家リスト(SSTL)から除外しました。

 

・スーダンの経済状況

スーダンの主な産業は、鉱業、農業、林業、畜産業、漁業です。

 

外務省の情報によると、スーダンの経済情勢はいまだに危機的な状況にあり、インフレ率は51%、2019年の経済成長率はマイナス2.5%失業率13.3%となっています。この状況を受けて、米国、英国、日本、ノルウェー、スウェーデンなどが援助をしています。

 

・スーダンの繫栄度の要約(ランキング)

『プロスペリティ2020』のスーダンの評価は、以下のとおりです。

・治安(セーフティーとセキュリティー) 161位

・個人の自由度 158位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 162位

・ソーシャルキャピタル 136位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 133位

・企業の状態 142位

・マーケットアクセスやインフラ 141位

・経済の質 166位

・生活状況 141位

・ヘルスケア 132位

・教育 141位

・自然環境 158位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

「ソーシャルキャピタル」は、136位と、一部の先進国(日本の140位)より高く評価されました。「教育」の項目では141位、「ヘルスケア」では132位、投資環境133位と、未来を見据えて改善していこうという姿勢が感じられます。

 

このまま、ガバナンスと治安の改善が順調に進むことで、将来スーダンの繫栄度が大きく上がることが期待されます。

 

ワースト8位 エリトリア国

 

『プロスペリティ2020』で、2020年のエリトリア国の繫栄度は、2019年と変わらぬ160位でした。外務省の情報によると、1998年以来続いていたエチオピアとの国境紛争は終わり、2018年にはエチオピアやソマリアと外交を再開しました。しかし、エリトリア国は、いまだに紛争により破壊されたインフラの復興や難民問題など、改善すべき課題が多く残っている国です。

 

・エリトリア国の経済状況

エリトリアの主な産業は、農業と鉱工業(金、大理石)です。

 

外務省の情報によると、エリトリアの2016年の経済成長率は3.6%で、2015年の物価上昇率は12%、2017年の失業率は6.4%です。深刻な干ばつや食糧不足が起きており、日本をはじめ、フィンランド、ノルウェー、カナダ、アイルランドが援助しています。

 

・エリトリアの繫栄度の要約(ランキング)

『プロスペリティ2020』のエリトリアの評価は、以下のとおりです。

・治安(セーフティーとセキュリティー) 135位

・個人の自由度 166位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 164位

・ソーシャルキャピタル 158位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 155位

・企業の状態 160位

・マーケットアクセスやインフラ 158位

・経済の質 157位

・生活状況 161位

・ヘルスケア 133位

・教育 152位

・自然環境 117位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

エリトリアは、紛争の終結によって治安が大幅に改善されましたが、紛争の爪あとがいまだに残っており、足をひっぱっている状態といえるでしょう。復興作業を無事に完了することと、エリトリアの今後の繁栄が期待されます。

 

ワースト7位 コンゴ民主共和国

 

『プロスペリティ2020』で、2020年のコンゴ民主共和国の繫栄度は167ヵ国中、161位でした。2019年は、162位だったので1年で僅かですが改善したようです。外務省の情報によると、コンゴは、長年、隣国のウガンダやルワンダが支援する反政府勢力に悩まされ、90年代には国際紛争にまで発展しました。

 

最近では、隣国との関係改善をすすめ、国連PKOも展開していますが、レアメタルなどの資源をめぐる戦い、部族間の対立などで、民間人の集落を襲撃する事件が多発しており、治安はいまだ改善されていません。

 

 

・コンゴ民主共和国の経済状況

コンゴ民主共和国の主な産業は、農林水産業、鉱業・エネルギー、製造業です。

 

外務省によると、コンゴの経済成長率は、2019年時点で4.4%でした。2016年時点での物価上昇率2.9%、2020年時点での失業率4.3%となっています。現在、米国をはじめ、英国、ドイツ、ベルギー、スウェーデン、日本などが支援しています。

 

・コンゴ民主共和国の繫栄度の要約(ランキング)

『プロスペリティ2020』のコンゴ民主共和国の評価は、以下のとおりです。

 

・治安(セーフティーとセキュリティー) 160位

・個人の自由度 125位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 158位

・ソーシャルキャピタル 154位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 165位

・企業の状態 148位 

・マーケットアクセスやインフラ 165位

・経済の質 161位

・生活状況 165位

・ヘルスケア 153位

・教育 149位

・自然環境 102位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

自然環境や資源が豊富なコンゴは、「自然環境」の項目で102位を獲得しました。「個人の自由度」も125位と、他のアフリカ諸国と比べると非常に高く評価されています。先進諸国からの支援も類を見ないほど多く、資源と今後の発展に大きな期待がかけられているのは明らかです。

 

しかし、いまだに、反政府勢力による民間人の殺戮、強奪、レイプなどが頻繁に起きており、今後の発展は非常に厳しい状況にあると言えるでしょう。

 

ワースト6位 アフガニスタン

 

2020年のアフガニスタンの繫栄度は、『プロスペリティ2020』によると、167ヵ国中162位でした。2019年は163位だったので、わずかに改善されたようです。

 

外務省の情報によると、2001年の米国同時多発テロ事件の後、タリバーンが敗北。以降、和平プロセスをすすめ、2014年には、はじめて民主的な政権交代が実現しました。現在では、NATOからアフガニスタン治安部隊への訓練や支援などが行われています。

 

・アフガニスタンの経済状況

 

アフガニスタンの中央統計局のデータ(2016年~2017年)によると、アフガニスタンの主な産業は、GDP寄与率が高い順に、サービス産業、農業、鉱工業、製造業となっています。

 

また、国際通貨基金(IMF)が2020年10月に発表した情報によると、アフガニスタンの2019年の経済成長率は3.91%でしたが、2020年はマイナス5%になりました。2020年はコロナウイルスの影響により、多くの国が前年比でマイナスになるケースに見舞われていますが、アフガニスタンも同じようです。

 

・アフガニスタンの繫栄度の要約(ランキング)

『プロスペリティ2020』のアフガニスタンの評価は、以下のとおりです。

 

・治安(セーフティーとセキュリティー) 166位

・個人の自由度 137位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 142位

・ソーシャルキャピタル 167位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 154位

・企業の状態 129位

・マーケットアクセスやインフラ 159位

・経済の質 142位

・生活状況 155位

・ヘルスケア 156位

・教育 153位

・自然環境 161位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

特筆すべき点は、「個人の自由度」や「ガバナンス」「企業の状態」「経済の質」の項目が比較的高く評価されているのに対し、「治安」や「ソーシャルキャピタル」の項目が、非常に低いという点です。上記でも紹介した『グローバル・ピース・インデックス2020』で、アフガニスタンは世界で一番平和指数が低い国に選ばれました。国内ではISILの活動もいまだに続いています。今後の発展には、治安を一刻も早く回復し、いかに貧困国から抜け出せるかがが鍵となりそうです。

 

ワースト5位 ソマリア

 

2020年のの繫栄度は、『プロスペリティ2020』によると、167ヵ国中163位でした。2019年は161位だったので、前年と比べると衰退しているのが分かります。

 

ソマリアは、貧困、若者の就職難、海賊の脅威など多くの問題が顕著に存在している国です。外務省の情報によれば、    2017年には、国連、英国、ソマリアが共催する「ソマリアに関するロンドン会合」が開催され、治安維持への新たな取り組みなどが採択されました。

 

・ソマリアの経済状況

 

ソマリアの主な産業は、畜産業と農業です。

 

2016年IMFのデータによると経済成長率は2.5%、失業率に関するデータはありません。経済が退廃している原因には、内戦、輸出先の湾岸諸国による輸入規制、干ばつなどの影響が挙げられ、現在も厳しい状況を迫られているのが推測できます。2014年の時点で、英国、米国、ノルウェー、日本、デンマークなどが援助しています。

 

・ソマリアの繫栄度の要約(ランキング) 

『プロスペリティ2020』のソマリアの評価は、以下のとおりです。

 

・治安(セーフティーとセキュリティー) 159位

・個人の自由度 149位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 163位

・ソーシャルキャピタル 126位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 146位

・企業の状態 161位

・マーケットアクセスやインフラ 143位

・経済の質 165位

・生活状況 157位

・ヘルスケア 161位

・教育 163位

・自然環境 144位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

ソマリアは、「ソーシャルキャピタル」で高い評価を受けています。(日本より高い)その他、「投資環境」「個人の自由度」「マーケットアクセスとインフラ」「自然環境」の項目で比較的高い評価を受けています。今後、治安の回復によってソマリアに進出する企業が増え、経済も発展していくことが期待されます。

 

ワースト4位 チャド

 

2020年のの繫栄度は、『プロスペリティ2020』によると、167ヵ国中164位でした。2019年も同じ164位だったので全く改善されていないことになります。

 

チャドは、反政府組織やイスラム系過激派組織などによる問題を抱えた国です。外務省の情報によると、治安悪化による難民も増えています。

 

・チャドの経済状況

 

チャドの主な産業は、農業、牧畜業、そして原油の生産です。石油による収入は全体の6割を超えますが、石油価格の下落により厳しい状況に追い込まれました。2018年の世銀のデータでは、経済成長率が2.64%、物価上昇率が5.4%、失業率が2.22%となっています。

 

・チャドの繫栄度の要約(ランキング) 

『プロスペリティ2020』のチャドの評価は、以下のとおりです。

 

・治安(セーフティーとセキュリティー) 143位

・個人の自由度 132位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 159位

・ソーシャルキャピタル 160位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 162位

・企業の状態 164位

・マーケットアクセスやインフラ 166位

・経済の質 153位

・生活状況 163位

・ヘルスケア 167位

・教育 165位

・自然環境 103位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

チャドは、「自然環境」「治安」「個人の自由度」などの項目が、比較的高く評価されています。原油価格の下落がおさまらないかぎりは、今後の繫栄は難しいといえるでしょう。

 

ワースト3位 イエメン

 

2020年のの繫栄度は、『プロスペリティ2020』によると、167ヵ国中165位でした。2019年は166位だったので、ほとんど変化がない状態です。

 

外務省の情報によると、イエメンでは、2011年以降、山岳地帯においてイスラム過激派組織による治安部隊へのテロ攻撃が続いてきました。また、南部においても独立運動などが起き治安は安定していません。さらには2015年、首都サヌア市においても、シーア派勢力とイエメン軍との衝突が起きています。

 

・イエメンの経済状況

 

イエメンは紀元前から地中海と東アフリカの貿易の中継地として発展してきた国です。その繫栄から当時は「幸福のアラビア」とも呼ばれていました。

 

現在のイエメンの主な産業は、石油や天然ガスの生産、農業、そして漁業となっています。しかし、長引く紛争の影響で石油やガスからの収入が減っており、約1,000万人が食糧不足に苦しんでいます。

 

2018年の世銀のデータによると、イエメンの経済成長率は、0.75%で、失業率に関するデータはありません。日本の無償資金協力をはじめ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、米国、英国、ドイツなどが援助しています。

 

・イエメンの繫栄度の要約(ランキング) 

『プロスペリティ2020』のイエメンの評価は、以下のとおりです。

 

・治安(セーフティーとセキュリティー) 164位

・個人の自由度 164位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 166位

・ソーシャルキャピタル 153位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 164位

・企業の状態 158位

・マーケットアクセスやインフラ 163位

・経済の質 167位

・生活状況 143位

・ヘルスケア 141位

・教育 154位

・自然環境 148位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

イエメンは、「生活状況」「ヘルスケア」「自然環境」などの項目で比較的高く評価されています。コロナ後の世界で、今後どのように経済の質を回復できるかは、長引く紛争を終わらせられるかどうかにかかっていると言えるでしょう。

 

ワースト2位 中央アフリカ共和国

 

2020年のの繫栄度は、『プロスペリティ2020』によると、167ヵ国中166位でした。2019年は165位だったので、まったく改善されていないことになります。

 

外務省の情報によれば、中央アフリカ共和国では、2013年以降イスラム系反政府勢力とキリスト教自警団の衝突がつづいてきましたが、2019年、アフリカ連合(AU)が主導し、政府と武装勢力の間で和平合意が結ばれました。

 

・中央アフリカ共和国の経済状況

 

中央アフリカ共和国の主な産業は、農業、林業、鉱工業(ダイヤモンド、金)です。2018年の世銀のデータでは、経済成長率は4.3%、失業率は6.48%となっています。2017年の時点で、米国をはじめ、ドイツ、フランス、英国、スウェーデンなどが支援しています。

 

2015年に新たにトゥアデラ大統領が就任してからは、経済成長率が前年比で約3%も伸び、今後の復興や国際社会への社会復帰が期待されています。

 

・中央アフリカ共和国の繫栄度の要約(ランキング) 

『プロスペリティ2020』の中央アフリカ共和国の評価は、以下のとおりです。

 

・治安(セーフティーとセキュリティー) 154位

・個人の自由度 139位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 156位

・ソーシャルキャピタル 161位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 160位

・企業の状態 163位

・マーケットアクセスやインフラ 167位

・経済の質 148位

・生活状況 167位

・ヘルスケア 166位

・教育 164位

・自然環境 107位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

中央アフリカ共和国は、「個人の自由度」「自然環境」「経済の質」などが比較的高く評価されています。新しい大統領に変わってから少しずつ経済成長率を伸ばしていることなどから、今後の経済成長が期待されます。

 

ワースト1位 南スーダン

 

2020年のの繫栄度は、『プロスペリティ2020』によると、167ヵ国中最下位でした。2019年は167位だったので、2年連続最下位ということになります。

 

南スーダンは、2011年にスーダンから独立し、国連の南スーダン共和国ミッション(UNMISS)が設立されました。これから、新しい国家をつくっていこうとしていた矢先に、与党内で派閥抗争が勃発。その後、現大統領と前大統領の警護隊が首都ジュバを含む全土で衝突し、多くの難民を出してしまう結果になりました。現在でも不安定な情勢が続いています。

 

・南スーダンの経済状況

 

南スーダンの主な産業は原油の生産、漁業、林業、農業、畜産業です。

 

2019年の世銀のデータによれば、経済成長率は3.2%、2017年の失業率は11.5%、そして2016年の物価上昇率が273%となっています。依存していた原油の価格が下落し、治安の悪化なども原因して、非常に深刻なインフレが続いています。

 

・南スーダンの繫栄度の要約(ランキング) 

『プロスペリティ2020』の南スーダンの評価は、以下のとおりです。

 

・治安(セーフティーとセキュリティー) 167位

・個人の自由度 163位

・ガバナンス(政府のクリーン度など) 165位

・ソーシャルキャピタル 165位

(個人と社会のつながりなどを示す)

・投資環境 157位

・企業の状態 154位

・マーケットアクセスやインフラ 144位

・経済の質 164位

・生活状況 166位

・ヘルスケア 165位

・教育 167位

・自然環境 135位

(Legatum Institute Foundation『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』より)

 

南スーダンは、「自然環境」や「マーケットアクセスやインフラ」の項目が、他の項目に比べて比較的高く評価されています。今後政治が安定し、治安が回復することで、南スーダンに進出する企業が増えることが期待されます。

 

【参考文献】

『Classement 2020 des pays les plus sûrs』|Insurly https://insurly.fr/indice-risque-pays』

『THE LEGATUM PROSPERITY INDEX™ 2020』|Legatum Institute Foundation https://www.prosperity.com/rankings

『The World Economic Outlook (WEO) database』|IMF https://www.imf.org/en/Publications/SPROLLS/world-economic-outlook-databases#sort=%40imfdate%20descending

『危険・スポット・広域情報』|外務省海外安全ホームページ https://www.anzen.mofa.go.jp/riskmap/

外務省(各国のGDP、失業率など)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html

『アフガニスタン 予測:実質GDP成長率』by IMF|CEIC https://www.ceicdata.com/ja/indicator/afghanistan/forecast-real-gdp-growth

『Global Peace Index 2020』|Institute for Economics & Peace』http://visionofhumanity.org/app/uploads/2020/06/GPI_2020_web.pdf

『デスティネーション国等別国際観光到着数及び国際観光収入』|UNWTO

https://www.e-unwto.org/doi/pdf/10.18111/9789284421374

 

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